はじめに:心と身体の休息を最優先に
心身の不調でお仕事を休まれている中、借金の返済日が近づくたびに心が休まらない日々をお過ごしではないでしょうか。真面目で責任感の強い方ほど、「早く復職して返さなければ」とご自身を追い詰めてしまいがちです。しかし、どうかご安心ください。返済のために無理をして復職を急ぐ必要はございません。
まずは、この記事を通して知っていただきたい大切なことをお伝えします。
- 【結論】休職中に受給されている「傷病手当金」は法律で守られており、借金のために差し押さえられることは原則としてございません。
- 【結論】現在お仕事をお休みされていても、自己破産などの法的手続きを進めることは十分に可能です。
- 【結論】弁護士が貸金業者へ「受任通知」をお送りし、相手方に通知が到達した後は、貸金業法により、正当な理由なくご本人様へ直接の連絡や取り立てを行うことが制限されます。まずはご返済のプレッシャーを取り除くことが先決です。
何よりも大切なのは、ご自身の心と身体を休ませ、回復させることです。この記事では、現役の破産管財人でもある弁護士が、ご療養に専念するための法的な解決策をご案内いたします。債務整理の全体像については、債務整理の種類とメリット・デメリットで体系的に解説しています。
ご安心ください。「傷病手当金」は差し押さえられません
借金のご返済が滞ってしまった場合、多くの方が「給料や預金を差し押さえられるのではないか」という強いご不安を抱かれます。特に、休職中の唯一の収入源である傷病手当金が対象になるのではないか、というご心配はもっともです。
しかし、結論から申し上げますと、健康保険法に基づいて支給される傷病手当金を受け取る権利は、法律によって差し押さえが禁止されています。これを「差押禁止債権」と呼びます。
この制度は、病気や怪我で働くことができない方の生活を守るための、国の重要なセーフティネットです。したがって、貸金業者がこの権利を直接差し押さえて、ご自身の生活費を奪うことはできません。現役の破産管財人としても断言いたします。法律が、あなたの療養生活をしっかりと守ってくれますので、この点についてはどうぞご安心ください。

銀行口座に入金された後は注意が必要?
法的に正確を期すならば、一つだけ補足がございます。「傷病手当金を受け取る権利」そのものは差し押さえられませんが、一度ご自身の銀行口座に振り込まれ、「預金」という形に変わった後のお金は、理論上は給与などの差し押さえの対象になり得ます。
しかし、これも過度にご心配いただく必要はございません。なぜなら、弁護士に自己破産などの手続きをご依頼いただければ、貸金業者が裁判を起こして差し押さえを実行するよりも前に、督促自体を止めることができるからです。現実的には、ご依頼いただいた後に口座が凍結されるリスクを管理しつつ、平穏な生活を守りながら手続きを進めることが可能です。
(参考:国税庁|差押禁止財産)
焦って復職する前に、まずは「返済の重圧」から解放されましょう
「早く治して働かなければ、返済ができない」という焦燥感は、療養において大きな妨げとなります。真面目な方ほどご自身を責め、不十分な状態で復職を試みた結果、残念ながら症状が悪化し、再び休職に至ってしまうケースは決して少なくありません。
経済的な不安が、回復への道を遠ざけてしまうのです。だからこそ、まず取り組むべきは、治療に専念できる穏やかな環境を整えること。そのための最も有効な一歩が、弁護士へのご依頼です。
私ども弁護士がご依頼をお受けすると、直ちに各貸金業者へ「受任通知」という書面を送付します。この通知が届けば、貸金業法により、正当な理由なくご本人様へ直接連絡や取り立てを行うことが禁止されます。電話や郵便物による督促のプレッシャーから解放されること。それが、心穏やかな療養生活を取り戻すための、確実な第一歩となるのです。
休職中の今だからこそ「自己破産」で生活を立て直す
私たちがこれまで、うつ病や適応障害で休職中の方々から多くのご相談をお受けしてきた中で強く感じるのは、皆様ご自身のことを「自己責任」と捉え、深く思い悩んでいらっしゃるということです。しかし、ご病気で働けなくなったことは、決してご自身の責任ではありません。
福岡地裁小倉支部などから選任される現役の破産管財人として、裁判所が免責(借金の支払い義務を免除すること)を判断する際、病気や休職といったやむを得ない事情をどのように考慮するか、その実務を熟知しております。結論から申し上げますと、うつ病などが原因で収入が減少し、生活費が不足して借金が増えたという経緯は、裁判所が事情を汲むべき典型的なケースと言えます。
自己破産は、支払い不能に陥った方の経済的再生を目的とした、法に基づく手続きです。免責が認められれば、多くの場合、借金の支払義務が免除され、生活再建を図ることができます。ご事情に応じて、療養に専念できる環境を整えるための選択肢の一つとして検討することができます。
任意整理ではなく自己破産をお勧めする理由
債務整理にはいくつかの方法がありますが、休職中の方に「任意整理」は適さない場合がほとんどです。任意整理は、あくまで「安定した収入」があることを前提に、数年かけて分割で返済していく和解交渉です。復職の目処が立っていない段階で返済計画を立てても、その計画自体が成り立たず、かえって精神的なご負担を増やすことになりかねません。
一方で、自己破産は返済を前提とせず、免責が認められれば、多くの場合、借金の支払義務の免除を受けることを目指す手続きです。まずは借金問題を根本的に解決し、経済的な心配なく治療に専念する。このステップを踏むことが、結果として社会復帰への一番の近道となると、私たちは考えております。どの手続きが最適かについては、自己破産・任意整理・個人再生の違いもご参照ください。

手続きに関するご不安にお答えします(よくあるご質問)
自己破産と聞くと、何か特別なことのように感じられ、ご不安に思われるかもしれません。しかし、ご安心ください。弁護士が一つひとつ丁寧にサポートいたします。
Q. 自己破産の手続きは、体調的に負担になりませんか?
A. 裁判所との複雑なやり取りや専門的な書類の作成は、すべて弁護士が代行いたしますので、心身へのご負担は最小限に抑えられます。
ご依頼者様には、通帳のコピーや給与明細といった必要書類の収集をお願いすることになりますが、これも「ご体調を最優先に、ご自身のペースでゆっくり集めてください」とお伝えしております。裁判所へ出向く際も、原則として弁護士が必ず同席いたします。一人で不安な思いを抱えることなく、安心して手続きを進めていただけます。詳しくは自己破産のよくあるご質問もご覧ください。
Q. 家族や職場に知られてしまうのでしょうか?
A. 職場に関しては、会社から直接借入れをされているといった特殊な事情がない限り、弁護士や裁判所から連絡がいくことはなく、知られる可能性は極めて低いと言えます。
ご家族、特に同居されている方については、家計全体の状況を裁判所に説明する必要があるため、ご協力をお願いする場面が出てくる可能性が高いです。しかし、どのようにご家族にお話しすればご理解を得やすいか、といった点も含めて、私どもが一緒に考え、サポートさせていただきます。自己破産とご家族への影響についても、ご心配な点は何でもお尋ねください。
まずはご相談を。穏やかな日々を取り戻すために
この記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます。今、あなたにとって何よりも優先すべきは、ご自身の心と身体の健康を取り戻すことです。そして、借金問題の解決は、そのための大切な第一歩にほかなりません。
ご病気のこと、経済的なこと、誰にも話せずに一人で抱え込んでこられたことと思います。当事務所では、そのような複雑なご事情をゆっくりと、正確に伺うため、プライバシーが守られた事務所での「対面相談」を大切にしております。
お電話やメールだけで済ませるのではなく、直接お顔を合わせてお話を伺うことで、ご体調に配慮しながら、あなたにとって最善の解決策を一緒に見つけ出すことができると信じています。穏やかな日々を取り戻すため、どうか一人で悩まず、専門家である弁護士にご相談ください。
北九州・小倉の地で、あなたが再び心から笑える日を迎えられるよう、誠心誠意サポートさせていただきます。

北九州・小倉の法律事務所「平井・柏﨑法律事務所」で、暮らしに寄り添った法的サポートを行っています。債務整理、離婚問題や不倫慰謝料請求、交通事故など、身近な悩みに丁寧に耳を傾け、安心できる解決を目指しています。小倉駅から徒歩5分、アクセスも便利。地域のみなさまが気軽に相談できる場所でありたいと考えています。
