給与差し押さえを止めるには?弁護士が教える回避・解除の方法|北九州の弁護士が解説

給与差し押さえは待ったなし!放置するリスクと影響

「ある日突然、裁判所から『支払督促』という書類が届いた」「給料日に手取り額が大幅に減っていた」…。
もしあなたが今、このような状況に置かれているなら、それは債権者による給与差し押さえ(強制執行)が開始された、あるいは開始直前であることを示す危険信号です。給与差し押さえは、決して他人事ではありません。借金の返済を滞納し続けると、法的な手続きを経て、誰にでも起こりうる事態なのです。

給与は生活の基盤そのものです。その一部が強制的に差し押さえられると、生活が困窮するだけでなく、勤務先に借金の事実が知られてしまうという精神的な苦痛も伴います。この問題を解決するためには、事態の深刻さを正確に理解し、一刻も早く適切な行動を起こすことが不可欠です。

「支払督促」・「訴状」が届いたら危険信号!差押えまでの流れ

給与差し押さえは、ある日突然、何の前触れもなく行われるわけではありません。そこに至るまでには、法に定められた段階的な手続きが存在します。

  1. 督促
    まず、債権者(貸金業者など)から電話や郵便で返済を求める連絡が来ます。この段階で対応すれば、まだ穏便に解決できる可能性があります。
  2. 訴訟提起・支払督促の申立て
    督促を無視し続けると、債権者は裁判所に訴訟を起こしたり、「支払督促」の申立てを行ったりします。裁判所から「訴状」や「支払督促」といった特別な書類が自宅に届いたら、事態は次のステージに進んだと考えなければなりません。特に「支払督促」を受け取ってから2週間以内に異議申し立てをしないと、債権者の主張が認められ、差押えが可能になってしまいます。これは、いわば「最後の警告」です。
  3. 判決・仮執行宣言
    裁判で債権者の主張が認められると「判決」が下されます。支払督促の場合は「仮執行宣言」が付されます。これらは、国が債権者の権利を公的に認め、「強制的に財産を差し押さえてもよい」という許可を与えたことを意味します。
  4. 債権差押命令
    債権者は判決など(債務名義といいます)に基づき、裁判所に「債権差押命令」を申し立てます。これが認められると、裁判所からあなたの勤務先へ「債権差押命令」が送達されます。この時点で、給与の差し押さえが実行されます。

この流れを理解し、ご自身の状況がどの段階にあるのかを客観的に把握することが、解決への第一歩となります。

手取り額はいくら減る?差押えの上限金額と計算方法

給与差し押さえで最も気になるのは、「実際に手取りがいくら減ってしまうのか」という点でしょう。法律(民事執行法)では、生活を維持するために必要な最低限の生計費を保障するため、差し押さえられる金額に上限を設けています。

原則として、差し押さえの対象となるのは手取り給与の4分の1までです。ただし、手取り月額が44万円を超える場合は、33万円を超えた金額の全額が差し押さえの対象となります。

手取り月収計算方法差押え上限額実際に受け取れる額
20万円20万円 × 1/45万円15万円
32万円32万円 × 1/48万円24万円
50万円50万円 – 33万円17万円33万円
給与差押えの上限額の計算例

※手取り額とは、総支給額から所得税、住民税、社会保険料などを控除した後の金額です。

注意すべきは、この差し押さえは借金全額の返済が終わるまで、毎月継続されるという点です。さらに、ボーナス(賞与)や退職金も原則として給与と同様に差し押さえの対象となります。経済的な影響は非常に大きく、生活再建をより一層困難にする要因となります。

給与差し押さえを止めるための債務整理という選択肢

では、始まってしまった給与差し押さえを止め、この苦しい状況から抜け出すにはどうすればよいのでしょうか。その最も有効な法的手段が債務整理です。

債務整理とは、裁判所を介したり、債権者と直接交渉したりすることで、借金の減額や免除、支払いの猶予などを目指す手続きの総称です。主に以下の3つの方法があります。

  • 自己破産:裁判所に申立て、借金の支払義務を原則として全額免除してもらう手続き。
  • 個人再生:裁判所に申立て、借金を大幅に減額(約5分の1~10分の1)し、原則3~5年で分割返済していく手続き。
  • 任意整理:裁判所を介さず、弁護士が債権者と直接交渉し、将来利息のカットや分割払いの回数などについて和解を目指す手続き。

すでに給与差し押さえが始まっている場合、債権者との交渉で任意に解除してもらうことは極めて困難です。そのため、裁判所の法的効力によって強制的に差し押さえを「停止」させ、最終的にはその効力を「失効」させることができる、自己破産または個人再生が極めて有効な選択肢となります。

【比較】自己破産と個人再生、どちらを選ぶべき?

自己破産と個人再生は、どちらも給与差し押さえを止める強力な効果がありますが、それぞれに特徴があり、どちらが適しているかは個人の状況によって異なります。ご自身の状況と照らし合わせながら、検討してみてください。

自己破産個人再生
借金の扱い原則、全額免除(ゼロになる)大幅に減額し、分割で返済
財産の扱い一定価値以上の財産(不動産、車など)は処分される住宅ローン特則を使えば、家を残せる可能性がある
資格制限手続き中、一部の職業(弁護士、警備員など)に就けない資格制限はない
主な選択基準・返済能力が全くない・処分されて困る高価な財産がない・借金の原因に問題がない(ギャンブル等)・住宅を残したい・安定した収入がある・資格制限を受ける職業に就いている
自己破産と個人再生の比較

どちらの手続きを選択すべきか、ご自身で判断するのは非常に難しいかと存じます。例えば、「家を残したい」というご希望があっても、住宅ローンの残額や他の借金の状況によっては個人再生が難しいケースもあります。専門家である弁護士があなたの状況を丁寧にお伺いし、法的な観点から最適な解決策をご提案いたします。

自己破産で差押えを停止・失効させる流れと期間

自己破産手続きは、給与差し押さえに対して次のような流れで影響を与えます。

  1. 弁護士への依頼・自己破産申立て
    弁護士に依頼し、必要書類を準備して裁判所に自己破産を申し立てます。
  2. 破産手続開始決定 → 差押えの停止(中止)
    裁判所が申立てを認め、「破産手続開始決定」を出すと、その時点で進行中の給与差し押さえは「停止(中止)」されます。これは、給料から天引きはされますが、その金銭は債権者には支払われず、最終的に破産管財人等に引き継がれるか、状況によってはあなたに返還されることを意味します。
  3. 免責許可決定の確定 → 差押えの失効
    手続きを経て、裁判所から「免責許可決定」が下り、それが確定すると、借金の支払義務がなくなります。これにより、停止していた給与差し押さえはその効力を完全に失い(「失効」)、将来にわたって差し押さえの心配はなくなります。

期間の目安としては、弁護士への依頼から申立てまでが3~6か月程度(費用の準備状況等でさらに長くなることもあります)、申立てから免責許可決定までは事案によりますが、3か月~1年程度かかるのが一般的です。

個人再生で差押えを停止・失効させる流れと期間

個人再生手続きも、自己破産と同様に給与差し押さえを止める効果があります。

  1. 弁護士への依頼・個人再生申立て
    弁護士に依頼し、裁判所に個人再生を申し立てます。
  2. 個人再生手続開始決定 → 差押えの停止(中止)
    裁判所から「個人再生手続開始決定」が出されると、給与差し押さえは「停止(中止)」されます。
  3. (実務上のポイント)強制執行中止命令の申立て
    より迅速に差押えを止めたい場合、個人再生の申立てと同時に「強制執行の中止命令」を申し立てることができます。裁判所がこれを認めれば、開始決定を待たずに差押えを停止させることが可能です。一刻も早く手取り額を確保したい場合に非常に有効な手段です。
  4. 再生計画の認可決定の確定 → 差押えの失効
    裁判所に再生計画案を提出し、それが認められ(認可決定)、確定すると、給与差し押さえは「失効」します。その後は、認可された再生計画に沿って返済を続けていくことになります。

個人再生も、弁護士への依頼か申立てまで申立てまでが3~6か月程度(費用の準備状況等でさらに長くなることもあります)、申立てから認可決定までは、半年程度の期間を見込むのが一般的です。

弁護士だから知る、給与差し押さえ対応の実務と経験

法律の条文や手続きの流れを説明するだけでは、本当の意味であなたの不安を解消することはできません。ここでは、私たちが日々、債務整理の現場で培ってきた実践的な知識と経験の一部をお伝えします。

申立て前の交渉で差押えを回避できるケースとは

給与差し押さえを止めるには、原則として自己破産や個人再生の「開始決定」を得る必要があります。しかし、これはあくまで原則論です。
私たちの経験上、開始決定を得ていなくとも、債権者に対して「自己破産(または個人再生)を申し立てた」と通知し、裁判所の事件番号を伝えることで、開始決定を待たずに訴訟を取り下げてくれる債権者も少なからず存在します。あくまでも、訴訟の取り下げであり、強制執行の取り下げではありません。

これは、債権者側も、どうせ手続きが始まれば訴訟を続けられなくなるのであれば、無駄な手続きを続けるよりは、と判断するためです。
一方で、管財費用や再生委員費用の積立てに時間がかかり、すぐに申立てができないというケースもあります。そのような場合には、裁判手続き上のテクニックを用いて判決言渡しを遅らせるなど、一時的な時間稼ぎを図ることもありますが、これはあくまでその場しのぎに過ぎません。根本的な解決には、やはり早期の申立てが不可欠です。

また、意外と知られていないことですが、もしあなたが債権者に伝えていた勤務先をすでに退職している場合、新しい勤務先を債権者が知らない限り、給与を差し押さえられることは基本的にありません。

いずれにせよ、状況は刻一刻と変化します。弁護士が早期に介入することで、取りうる選択肢は大きく広がるのです。

北九州の裁判所手続きに精通した弁護士の強み

債務整理、特に自己破産や個人再生は、裁判所で行う手続きです。そして、その手続きの運用は、全国の裁判所で完全に同じというわけではなく、地域ごとに細かな慣行や特色があります。
私たち平井・柏﨑法律事務所の弁護士は、北九州(小倉・八幡など)を管轄する福岡地方裁判所小倉支部における破産管財人や個人再生委員を務めた経験があります。

「破産管財人」とは、裁判所から選任され、破産する方の財産を管理・処分する中立的な立場です。「個人再生委員」は、再生計画が法律の要件を満たしているかなどを審査する役割を担います。

この経験は、依頼者の方にとって大きなメリットとなります。なぜなら、私たちは「裁判所がどのような点を重視するのか」「どのような資料を提出すれば手続きがスムーズに進むのか」といった、いわば裁判所側の視点を熟知しているからです。この知見に基づき、あなたの状況に合わせた的確なアドバイスを心がけ、迅速かつ円滑な手続きの遂行に努めます。
北九州市及びその近郊で債務整理をお考えなら、地域の裁判所実務に精通した私たちにぜひお任せください。

給与差し押さえに関するよくあるご質問(Q&A)

ここでは、ご相談者様から特によく寄せられる質問にお答えします。

Q. 給与差し押さえが原因で会社をクビになりますか?

A. いいえ、給与差し押さえを理由に会社が従業員を解雇することは、法的に認められていません。

労働契約法第16条では、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は無効であると定められています。給与差し押さえは、従業員の私的な問題であり、業務遂行能力とは直接関係がないため、これを理由とした解雇は「不当解雇」にあたる可能性が極めて高いです。万が一、解雇を言い渡されたり、退職を強要されたりした場合は、すぐにご相談ください。
とはいえ、経理担当者などに借金の事実が知られ、会社に居づらさを感じてしまうというお気持ちは十分に理解できます。だからこそ、一日も早く法的手続きによって問題を解決し、平穏な生活を取り戻すことが重要なのです。

Q. 弁護士費用がない場合でも相談できますか?

A. はい、もちろんです。当事務所では、借金問題に関する初回のご相談は60分無料でお受けしております。費用の分割払いにも柔軟に対応しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

「弁護士に頼みたいけれど、費用が払えない」と諦めてしまうのは、非常にもったいないことです。弁護士がご依頼を受けると、直ちに各債権者へ「受任通知」という書面を送付します。この通知が届けば、債権者からの直接の督促や取り立ては法律で禁止され、いったん返済もストップします。
つまり、これまで返済に充てていたお金を、弁護士費用の分割払いや、自己破産・個人再生で必要となる裁判所への予納金の積立てに充てることができるのです。費用の不安で一歩を踏み出せずにいる間に、状況はますます悪化してしまいます。まずは無料相談をご利用いただき、解決への道筋を一緒に見つけましょう。

北九州で給与差押えにお悩みなら、今すぐ当事務所へご相談を

給与差し押さえは、経済的な打撃はもちろんのこと、「会社に知られてしまった」という精神的な苦痛も計り知れない、非常に深刻な事態です。しかし、どうか一人で抱え込まないでください。この問題を放置していても、事態が好転することは決してありません。借金がなくなるまで、毎月あなたの給与からお金が引かれ続けるだけです。

弁護士に相談する、という一歩を踏み出すことで、あなたの未来は大きく変わります。

  • 受任通知の送付により、債権者からの直接の督促が止まります。
  • 債務整理等の法的手続きにより、給与差し押さえの停止や解除を目指せます。
  • あなたにとって最適な解決策(自己破産、個人再生など)が見つかります。
  • 精神的なプレッシャーから解放され、平穏な生活を取り戻せます。

当事務所は、これまで北九州市及びその近郊で、数多くの借金問題、給与差し押さえの問題を解決してまいりました。ご相談は完全個室でプライバシーにも最大限配慮しておりますので、どうぞご安心ください。

初回のご相談は無料です。 あなたが「相談してよかった」と心から思えるよう、私たちが全力でサポートします。まずは、お電話かメールでご予約ください。

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※本記事は一般的な法的情報を提供するものであり、個別の事案に対する法的アドバイスを保証するものではありません。具体的な状況については、必ず弁護士にご相談ください。

監修者情報

平井・柏﨑法律事務所
弁護士 平井 章悟(福岡県弁護士会所属)

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