「債務整理をすると、全ての財産を失ってしまうのでは?」「どうしてもマイホームだけは守りたい」そのような不安をお持ちの方へ。
結論から言うと、債務整理=全ての財産を失う、ではありません。守れる財産と、処分の対象になる財産には明確なルールがあります。また、選ぶ手続き(任意整理・個人再生・自己破産)によっても扱いは大きく異なります。
このページでは、家・車・預金・保険・退職金といった「財産の扱い」に特化して、北九州エリア(福岡地裁小倉支部)の運用目安を含めて解説します。
1. 財産がなくならない?3つの手続きの違い
まずは、手続きごとの「財産の扱い」の基本ルールを押さえましょう。
| 手続き | 財産の扱い | ポイント |
| 任意整理 | 原則、処分なし | ローンが残っている車などを「対象から外す」ことで維持可能。 |
| 個人再生 | 原則、維持可能 | 「持っている財産額以上の金額」を分割返済すれば、財産は処分されません(清算価値保障)。住宅ローン特則を使えば家も守れます。 |
| 自己破産 | 原則、処分あり | 生活に必要な財産(自由財産)以外は、お金に換えて債権者に配当されます。 |
2. マイホーム(持ち家)を守りたい場合
「家を守れるかどうか」は、住宅ローンの有無と手続きの選択が鍵になります。
住宅ローン返済中の場合:
- 任意整理: 住宅ローンを整理の対象から外せば、そのまま住み続けられます(ただし、他の借金を圧縮する効果は限定的です)。
- 個人再生: 「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を利用することで、住宅ローンを払い続けながら、その他の借金を大幅に減額できます。マイホームを守るための切り札です。
- 自己破産: 原則として家は処分(競売や任意売却)されます。
住宅ローン完済済みの場合:
- 個人再生: 家の価値(査定額)が借金総額より高い場合、減額効果が得られないことがあります(家の価値分は返済しなければならないため)。
- 自己破産: 資産価値があるため、原則として処分対象になります。
3. 自動車(車・バイク)を守りたい場合
車の扱いは、「ローンの有無」と「車の価値」で決まります。
ローンが残っている車:
- 任意整理: 車のローンを対象から外せば、引き上げられずに乗り続けられます。
- 個人再生・自己破産: 通常、ローン会社に「所有権留保」がついているため、手続きをすると車は引き上げられます。
ローンがない車(完済済み):
- 自己破産: 「評価額(査定額)」が一定の基準(北九州エリアでは概ね20万円)を超えると、処分の対象になる可能性があります。
逆に言えば、古い車や価値の低い車なら手元に残せるケースが多いです。 - 個人再生: 処分はされませんが、車の価値が「資産」としてカウントされ、返済額に反映されます。
4. 預貯金・現金・その他の資産
北九州エリア(小倉支部など)の運用では、自己破産の際、以下の基準を超えると「回収(換価)」の対象となる傾向があります。
あくまで目安であり、個別事情によります。
- 現金: 99万円までは手元に残せる(自由財産)のが一般的です。
- 預貯金: 合計で20万円を超えると回収対象となる場合があります。
- 生命保険: 「解約返戻金」の見込額が20万円を超えると回収対象となる場合があります。
- 退職金: 「いま退職したらいくらもらえるか(退職金見込額)」の8分の1相当額が、資産として評価されます。
※ 個人再生や任意整理では、これらが没収されることはありません(ただし個人再生では返済額の計算に含まれます)。
5. 家財道具(家具・家電)はどうなる?
テレビ、冷蔵庫、洗濯機、タンス、ベッドなどの生活必需品は、自己破産であっても処分されることはまずありません(差押禁止動産)。
「家の中の物を全部持っていかれる」というのはドラマの中の話や誤解ですので、ご安心ください。
6. 財産を守るための注意点
財産を守りたいからといって、直前に名義変更をしたり、隠したりすることは絶対にやめてください(財産隠し)。 自己破産で免責が下りなくなったり、詐欺破産罪に問われたりするリスクがあります。
「この車は残せるか?」「家の査定額はどう評価されるか?」といった具体的な判断は、資料を見た上での専門的な計算が必要です。まずは無料相談で、お持ちの財産をお聞きした上でシミュレーションを行ってみましょう。

北九州・小倉の法律事務所「平井・柏﨑法律事務所」で、暮らしに寄り添った法的サポートを行っています。債務整理、離婚問題や不倫慰謝料請求、交通事故など、身近な悩みに丁寧に耳を傾け、安心できる解決を目指しています。小倉駅から徒歩5分、アクセスも便利。地域のみなさまが気軽に相談できる場所でありたいと考えています。
