「借金が原因で会社をクビにならないか」「給料が振り込まれる銀行から借り入れをしている」「会社から『社内貸付』を受けている」
会社員(正社員・契約社員)の方が債務整理をする際、最も心配なのは「今の仕事や給料に影響が出るか」という点でしょう。結論から言うと、債務整理を理由に解雇されることは法律で禁止されていますが、進め方を間違えると、給料口座が凍結されたり、社内での信用を失ったりするリスクがあります。
このページでは、会社員の方が特に注意すべき「銀行口座の凍結対策」や「会社への借金の扱い」について解説します。
1. 債務整理をするとクビになる?出世に響く?
まず、大前提としての不安を解消しましょう。
- 解雇(クビ)について: 借金や債務整理を理由とした解雇は、労働基準法で認められていません。万が一知られたとしても、それを理由にクビにすることは不当解雇にあたります。
- 出世・昇進について: 基本的には関係ありません。ただし、銀行員や警備会社など、「信用」や「金銭管理」が重要視される職種の場合、人事考課に事実上の影響が出る可能性はゼロではありません。
2. 要注意!「給料振込口座」の凍結リスク
会社員の方が盲点になりやすいのが、「給料が振り込まれる銀行」からカードローンを借りているケースです。
【何が起きる?】
給料振込先の銀行(例:福岡銀行や西日本シティ銀行)に対して債務整理(受任通知の送付)を行うと、その銀行の口座は即座に「凍結」されます。
- 口座のお金が没収される: 口座に入っている預金が、借金の返済に充て(相殺)られてゼロになります。
- 給料が引き出せなくなる: 凍結中に給料日が来ると、振り込まれた給料も「ロック」されて引き出せなくなります(※窓口で交渉すれば引き出せる場合もありますが、手間がかかります)。
【対策】できるだけ早く、給料の振込先を「借金のない別の銀行」に変更してください。これが最も確実な防衛策です。
3. 「社内貸付」や「労金」がある場合
会社から直接お金を借りる制度(社内貸付)や、労働組合を通じた「ろうきん(労金)」からの借入がある場合、手続き選びに注意が必要です。
- 自己破産・個人再生の場合: 「すべての債権者」に通知を送る必要があるため、会社や労働組合にも通知が届きます。これにより、会社に借金の事実がバレる可能性が高いです。
- 任意整理の場合: 会社や労金の借金を「手続きの対象から外す」ことができます。会社の借金は今まで通り給料天引きで返し、消費者金融だけを整理すれば、会社に知られずに借金を減らすことが可能です。
4. 退職金見込額証明書の壁
自己破産や個人再生では、資産調査のために「退職金見込額証明書」の提出を求められます。 会社に発行を依頼する際、「何に使うの?」と聞かれて答えに詰まり、怪しまれるケースがあります。
【対策】
- 「住宅ローンの審査で必要」「マイカーローンの審査」などの理由で申請する。
- 会社の就業規則(退職金規定)のコピーと、勤続年数の計算書で代用できないか弁護士に相談する。
5. 会社員におすすめの手続きは?
安定した収入がある会社員の方は、選択肢が広いです。
基本は「任意整理」
給料口座の凍結リスクを回避しやすく、社内貸付があっても外せるため、最も安全です。
借金が大きいなら「個人再生」
持ち家(住宅ローン)がある場合や、借金額が年収を超えている場合は、個人再生で大幅減額を目指します。
個人再生とは?マイホームを残して借金を大幅減額する「住宅ローン特則」の条件
最終手段は「自己破産」
退職金が多額にある場合、それが資産とみなされて換価されるリスクがあるため、慎重な判断が必要です。
まとめ:給料を守るために事前準備を
会社員の方の債務整理は、「給料日」との兼ね合いや、「口座変更」のタイミングなど、スピードと段取りが命です。 うっかり口座を凍結させてしまい、生活費が下ろせなくなる……という事態を防ぐためにも、弁護士と綿密に打ち合わせをしてからスタートしましょう。

北九州・小倉の法律事務所「平井・柏﨑法律事務所」で、暮らしに寄り添った法的サポートを行っています。債務整理、離婚問題や不倫慰謝料請求、交通事故など、身近な悩みに丁寧に耳を傾け、安心できる解決を目指しています。小倉駅から徒歩5分、アクセスも便利。地域のみなさまが気軽に相談できる場所でありたいと考えています。
