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自己破産のよくあるご質問【北九州・小倉】

2025-07-15

はじめに

自己破産のよくあるご質問

自己破産は、借金問題を根本的に解決できる有力な手段の一つですが、「どんな手続きなのか」「どのような影響があるのか」について不安を抱えていらっしゃる方も多いかと思います。

このコラムでは、北九州市小倉北区で多数の自己破産案件を取り扱ってきた弁護士が、よくご相談いただくご質問にお答えします。

Q1. 自己破産とはどのような手続きですか?

自己破産とは、裁判所に申立てを行い、借金の返済義務を免除してもらう手続きです。支払いが困難な状態(支払不能)であることが条件となります。

免除(免責)が認められれば、借金の返済義務がなくなり、生活の立て直しが可能になります。

Q2. どのような借金でも自己破産で免除されますか?

原則として、ほとんどの借金が対象となりますが、一部免除されない債務もあります。

たとえば、

  • 税金や社会保険料
  • 養育費や婚姻費用
  • 故意・重過失による損害賠償
  • 罰金等

などは免除の対象外となります。詳しくは個別の事情を確認して判断します。

Q3. 家族に知られずに自己破産はできますか?

法律上、自己破産の申立書類には家計の状況や家族構成を記載する必要がありますが、ご家族が申立て自体を知るかどうかは状況によります。

郵送物の管理や連絡先の設定によって、ご家族に知られずに進められる場合もありますので、具体的には弁護士にご相談いただくのが確実です。

Q4. 職場に知られてしまいますか?

通常、勤務先に知られることはありません。給与差押えを受けていない限り、職場への通知が行くこともありません。

ただし、公務員の方や特定の資格職では注意が必要なケースもあります。個別の状況に応じてアドバイスいたします。

Q5. すべての財産を失うのでしょうか?

自己破産をしても、すべての財産を失うわけではありません。

法律上、99万円までの現金や一定の生活に必要な財産は「自由財産」として手元に残すことができます。住宅や高額資産については処分が必要になる場合があります。

Q6. 免責が許可されないこともありますか?

破産法では「免責不許可事由」という項目が定められています。浪費やギャンブル、多額の保証債務などが該当することがあります。

 しかし、実際には「裁量免責」といって、事案全体を考慮して免責が認められるケースも多くあります。誠実に手続きを進めることが重要です。

Q7. 自己破産の手続き期間はどのくらいですか?

通常、申立から免責決定までおおよそ3〜6ヶ月程度が目安となります。ただし、資産状況や手続きの内容によっては半年以上かかる場合もあります。

Q8. 自己破産をすると二度と借入はできなくなりますか?

免責後も法的に借入が禁止されるわけではありませんが、信用情報(いわゆるブラックリスト)に一定期間(約5〜10年)登録されるため、当面は新たな借入やローン契約は難しくなります。

Q9. どのタイミングで相談すべきですか?

支払いが苦しいと感じ始めた段階で、早めにご相談いただくことをおすすめします。早期のご相談によって、自己破産以外の選択肢(任意整理や個人再生)が可能なケースも多くあります。

Q10. 北九州・小倉で自己破産に強い弁護士を選ぶポイントは?

破産管財人の経験が豊富な弁護士は、裁判所の運用やポイントを熟知しています。複数の解決策を提示してくれる事務所を選ばれると、より適切な手続きが進められます。

まとめ

自己破産は生活再建のための制度です。過度に恐れる必要はありませんが、正確な情報をもとに適切な手続きを選択することが大切です。

当事務所(平井・柏﨑法律事務所)では、これまで北九州・小倉エリアで多数の自己破産手続きをお手伝いしてまいりました。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

【小倉駅徒歩5分・初回相談無料】

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自己破産しても税金はなくならない?

2025-06-13
自己破産しても税金はなくならない?

当事務所には、自己破産を検討している方から「税金も返済しなくてよくなりますか?」というご質問をよくいただきます。

結論から申し上げますと、税金は原則として、自己破産をしても免除されません。

ですが、「じゃあ破産しても意味がないのか?」というと、決してそんなことはありません。

自己破産をすることで、借金をきちんと整理したうえで、税金への対応にも集中できる状態を作ることができます。

今回は、自己破産と税金の関係について、北九州市小倉北区で10年以上自己破産事件を扱ってきた弁護士の視点から、わかりやすくお伝えします。

1 自己破産で免責されない主な債務

自己破産をして免責許可を受けることができれば、クレジットカードや消費者金融などの借金、個人間の貸し借りなどは、基本的にすべて返済しなくてよくなります(これを「免責」といいます)。

しかし、以下のような債務については、自己破産をしても免責されません。

  • 税金(所得税、住民税、固定資産税、消費税など)
  • 国民健康保険料・年金保険料などの社会保険料
  • 故意に損害を与えた場合の損害賠償(交通事故の無保険加害など)
  • 養育費や婚姻費用の未払い分
  • 罰金や過料、科料

このように、税金は免責されないため、破産後も支払いをしなければならないということになります。

2 税金が免責されない理由

自己破産の目的は「支払不能に陥った人に、経済的更生のチャンスを与えること」にあります。

ただし、税金は社会全体を支えるための義務という側面が強いため、法律上、特別な扱いとなっています。

また、税金は国や自治体が管理する「公的債権」であり、他の民間の債権(消費者金融、クレジット会社など)よりも優先されやすいという特徴もあります。

3 税金の滞納がある場合に自己破産するメリット

それでは、税金の滞納がある場合に自己破産しても意味はなく、全くメリットはないのでしょうか。必ずしもそうとは限りません。以下のように、税金の滞納があっても自己破産することには大きなメリットがあります。

これまでご説明したように、自己破産をしても税金はゼロにはなりませんが、ほとんどの方は「税金以外の借金(債務)」が大きな負担となっているのが実態だといえます。

例えば、

クレジットやカードローン:300万円

携帯の分割払い残金:30万円

消費者金融:150万円

税金滞納分:15万円

このようなケースでは、自己破産によって500万円近くの借金を返済しなくてよくなります。

そのうえで、税金の15万円だけを自治体と相談しながら分割納付や猶予申請をしていくというのが、現実的で確実な再出発への道です。

4 税金の滞納には「分納」や「徴収猶予」などの制度も

税金は自己破産手続きでは支払い義務はなくなりませんが、以下のような手続きによって支払いの猶予や分割払いが認められる場合があります

分納(分割払い)

自治体の税務課に相談すれば、ご自身の経済状況を考慮し、月々数千円〜数万円の範囲で、現実的な内容で分割払いできるケースがあります。

徴収の猶予

生活が苦しいことが明らかな場合、一定期間徴収を止めてもらえる制度もあります(最大1年程度)。

滞納処分の停止

差押えなどがすぐに実行されないよう、支払意思や経済状況を示して交渉することで、処分を一時的に回避できることもあります。

5 おわりに

上記のように、自己破産をしても税金の支払い義務はなくなりませんが、税金以外の借金(債務)をなくすことで、生活再建の下地を整えることができます。

そこで、自己破産を検討されている方、特に通常の借金に加えて、税金の滞納があることでご不安に感じられている方は、まずは弁護士にご相談されることをおすすめいたします。

当事務所の弁護士は、北九州市小倉北区で10年以上、自己破産・個人再生などの債務整理案件を多数取り扱ってきました。また、裁判所から選任される破産管財人として、税金や保険料を含んだ案件にも実務的に関与してきた経験があります。

当事務所では、借金問題でお困りの方に、お気軽にご相談いただけるよう、借金に関する初回相談を無料で行っておりますので、是非、北九州・小倉の当事務所までお気軽にご相談ください。

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自己破産による資格制限とは?

2025-05-23
自己破産による資格制限とは?

自己破産を検討されている方からよく寄せられるご相談のひとつが、「破産すると資格や仕事に影響が出るのではないか」というご不安です。

実際、破産を申し立てた場合、一部の職業については法律上の資格制限が設けられており、一定期間、登録や業務の遂行ができなくなる場合があります。

そこで、今回は、破産手続きに伴う資格制限の仕組みや、どのような職業が制限の対象になるのか、また制限が解除されるタイミングなどについて、北九州・小倉の弁護士が説明いたします。

1 自己破産と免責について

自己破産とは、裁判所に申立をして債務(借金)の支払い義務を全額免除してもらう手続きです。

そして、支払い義務を免除してもらうことを「免責」といいます。そのため、厳密にいうと、個人の方が自己破産手続きを行うのは、裁判所にこの「免責」を許可してもらうためということになります。

2 自己破産における資格制限とは?

自己破産の申し立てを行い、「破産手続開始決定」が出されると、破産手続が終了し免責が確定するまでの間、一部の職業や資格に就くことが法律で制限されます。

この資格制限は、「破産手続開始決定から免責確定までの間」の一時的な制限であり、免責が確定すれば制限は解除されます。

3 資格制限の対象となる職業・資格

⑴ 弁護士、公認会計士、税理士などの士業

  • 弁護士(弁護士法第7条)
  • 公認会計士(公認会計士法第4条)
  • 税理士(税理士法第5条)
  • 司法書士(司法書士法第5条)

これらの職業では、破産手続中は登録の欠格事由となり、登録の取消や業務停止の対象となります。

⑵ 会社役員(取締役・監査役など)

会社法第331条により、株式会社などの役員には就任できません。ただし、破産手続き中に役職を辞任すれば、それ以降に新たな役員に就くことは免責確定後に可能になります。

⑶ 保険募集人や宅地建物取引士などの登録制資格

  • 宅地建物取引士(宅地建物取引業法第18条)
  • 保険募集人(保険業法第274条)
  • 貸金業取扱主任者(貸金業法第24条の4)

これらの職種では、登録の際に破産していないことが要件とされているため、破産手続中は新たに登録できません。

⑷ 警備員

警備業法第14条に基づき、破産者は警備業務に就くことができません。免責後に再び従事することは可能です。

4 資格制限がない主な職業

一方で、破産手続中であっても制限を受けない職業も多数あります。例えば、

  • 一般の会社員
  • アルバイト・パート
  • 工場勤務
  • 介護職員
  • ITエンジニア
  • フリーランス(登録制資格が不要な業務)

これらの職業は、破産による直接的な資格制限の影響を受けません。

5 資格制限の解除タイミングはいつ?

資格制限は、「免責許可決定が確定」すると解除されます。
通常、破産手続開始決定から3〜6か月程度で免責が確定することが多いです。

免責確定後は、制限を受けていた資格への復帰や再登録も可能になります。

6 まとめ

上記のように、自己破産には一時的な資格制限があるものの、免責確定後には復職や再登録が可能です。将来の生活再建のためには、正確な情報をもとに判断することが重要です。

そこで、自己破産手続きを検討されている方、特に自己破産における資格制限に関してご不安に感じられている方は、まずは弁護士にご相談されることをおすすめいたします。

当事務所は、これまで債務整理手続きを多数取扱ってきましたので、豊富な実績経験があります。

また、当事務所では、借金問題でお困りの方に、お気軽にご相談いただけるよう、借金に関する初回相談を無料で行っておりますので、是非、北九州・小倉の当事務所までお気軽にご相談ください。

ゴールデンウイーク期間中の休業日のお知らせ

2025-04-21

ゴールデンウイーク期間中の休業日についてご案内します。

2025年4月28日(月)午後から2025年5月6日(火)までお休みをいただききます。

上記期間中のHPのお問い合わせフォーム弁護士ドットコム、及び離婚・不倫慰謝料相談特設サイトから頂いたお問い合わせについては、2025年5月7日(水)から順次、ご連絡させて頂きます。

ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

免責不許可事由について

2025-04-17
免責不許可事由について

自己破産は、借金をチャラ、言い換えれば、借金を返さないで良いようにする手続きですが、自己破産の申し立てをしても、「免責不許可事由」があると原則として借金の返済が免除されません。

そこで、今回は、どのような事情が免責不許可事由に該当するのか、免責不許可事由があっても免責される場合はどんな場合なのについて北九州・小倉の弁護士が説明いたします。

1 自己破産と免責について

自己破産とは、裁判所に申立をして債務(借金)の支払い義務を全額免除してもらう手続きです。

そして、支払い義務を免除してもらうことを「免責」といいます。そのため、厳密にいうと、個人の方が自己破産手続きを行うのは、裁判所にこの「免責」を許可してもらうためということになります。

2 免責不許可事由について

免責不許可事由とは、破産手続での免責を許可しない場合として破産法に定められた事情のことで(破産法252条1項)、免責不許可事由があると、自己破産をしても債務(借金)の支払義務は原則として免除されません。

免責不許可事由の具体的な内容は以下のとおりです。


⑴ 不当な破産財団の価値減少行為(破産法252条1項1号)

「債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為」をした場合は免責不許可事由に該当します。

例えば、処分されないようにするために破産者が自分の自動車の名義を妻に変更したり、100万円の価値がある宝石を10万円で売却したりする場合などが考えられます。


⑵ 著しく不利益な債務負担行為・処分行為(破産法252条1項2号)

「破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分」した場合は免責不許可事由に該当します。

例えば、破産せざるを得ない状況にあるとわかっていながら、ヤミ金から借り入をしたり、クレジットカードのショッピング枠を現金化したりする場合などが考えられます。


⑶ 非義務偏頗行為(破産法252条1項3号)

「特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをした」場合は免責不許可事由に該当します。

例えば、銀行や消費者金融にも借り入れがあるにもかかわらず、友人や親族にだけ返済を行った場合などが考えられます。


⑷ 浪費、賭博その他射幸行為による財産減少行為・債務増大行為(破産法252条1項4号)

「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担した」場合は免責不許可事由に該当します。

例えば、パチンコや競馬などのギャンブルやFX取引などが原因で、借金を背負ってしまった場合などが考えられます。


⑸ 詐術による信用取引(破産法252条1項5号)

「破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得した」場合は免責不許可事由に該当します。

例えば、返す当てがないのに、相手をだまして借り入れをしたりする場合などが考えられます。


⑹ 帳簿隠滅等の行為(破産法252条1項6号)

「業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した」場合は免責不許可事由に該当します。

例えば、破産手続きを有利に進めるために、提出すべき書類を隠したり、書き換えたりした場合などが考えられます。


⑺ 虚偽の債権者名簿の提出(破産法252条1項7号)

「虚偽の債権者名簿…を提出した」場合は免責不許可事由に該当します。

例えば、知人や親族からの借り入れだけは返済しようと考え、あえて知人や親族からの借り入れについて債権者名簿に記載しなかった場合などが考えられます。


⑻ 調査協力義務違反行為(破産法252条1項8号)

「破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をした」場合は免責不許可事由に該当します。


⑼ 管財業務妨害行為(破産法252条1項9号)

「不正の手段により、破産管財人…の職務を妨害した」場合は免責不許可事由に該当します。

例えば、破産財団に属する財産を隠したり、破産管財人を脅したりする場合などが考えられます。


⑽ 7年以内の免責許可取得等(破産法252条1項10号)

過去に免責許可決定を受け、その免責許可決定の確定日から7年以内に再度免責許可の申立てを行った場合には、免責不許可事由に該当します。


⑾ 破産法上の義務違反行為(破産法252条1項11号)

破産法において、破産者は、裁判所や破産管財人などの調査に協力しなければならないと定められており、破産者が裁判所や破産管財人の調査に協力しないときは、免責不許可事由に該当する可能性があります。


3 裁量免責について

これまで免責不許可事由の具体的内容についてご説明してきましたが、免責不許可事由に該当する場合でも、例外的に裁判所の裁量により免責が認められる場合があります(破産法252条1項2号)。

自己破産は、破産者の生活を立て直すための制度です。免責不許可事由に該当する場合でも、裁判所が生活を立て直す機会を与えても良いと考えるのであれば、裁判所の裁量による免責が認められます。

この裁量免責に際しては、

  • 支払不能になった原因や経過
  • 支払不能になった後の破産者の状況
  • 破産者の反省の有無、程度、更生の意欲、見込、必要性の程度、有無
  • 債権者の種類
  • 債権の内容、総債権額、免責に対する意見

などが総合的に考慮されます。

そして、上記の事情が考慮された結果、浪費やギャンブルにより多額の債務(借金)を負った方でも、1度目の破産手続きであれば、多くのケースで裁量免責が認められています。


4 まとめ

上記のように、浪費やギャンブルにより多額の債務(借金)を作ってしまった場合であっても、免責が認められるケースは多くありますので、免責不許可事由があるからといって、自己破産手続きを諦める必要はありません。

もっとも、自分が行った行為が免責不許可事由に該当するのかどうか、免責不許可事由に該当するとして裁量免責が認められる可能性があるのかどうかといった不安を感じられる方も多いことと思います。

そこで、自己破産手続きを検討されている方、特に免責不許可事由や裁量免責に関してご不安に感じられている方は、まずは弁護士にご相談されることをおすすめいたします。

当事務所は、これまで債務整理手続きを多数取扱ってきましたので、豊富な実績経験があります。また、当事務所では、借金問題でお困りの方に、お気軽にご相談いただけるよう、借金に関する初回相談を無料で行っておりますので、是非、北九州・小倉の当事務所までお気軽にご相談ください。

自己破産により自動車を手放すことになるのか

2025-03-27
自己破産により自動車を手放すことになるのか

自己破産のご相談を受ける中で、自己破産をすると自動車を手放さないといけないのではないか等、自動車の処遇をご心配される方が多くいらっしゃいます。

そこで、今回は、自己破産をすることにより自動車を手放すことになるのかについて、北九州・小倉の弁護士が説明いたします。

1 ローンが残っている自動車について

ローンを組んで自動車を購入されている場合、購入した自動車に対して、信販会社等の所有権が留保されていることが多くあります。

そして、自動車に所有権留保が付いている場合に自己破産手続きを行うと、弁護士から自己破産をすることを信販会社等に通知(受任通知)を送付した後、自動車が引き揚げられてしまうことになります。

したがって、ローンが残っていて所有権留保が付いている自動車については、手元に残すことができないということになります。なお、銀行で自動車ローンを組んでいる場合など、自動車ローンであっても所有権留保を付けない場合もあるので、約款や車検証、自動車検査証記録事項等を確認する必要があります。

2 ローンを完済している自動車について

ローンを完済している自動車については、上記のような所有権留保が付いていないため、引き揚げられるということはありませんが、裁判所ごとの基準(自動車の価値や車種等)によって、処遇が異なってきます。

⑴ 福岡地方裁判所の基準

福岡地方裁判所であれば、「自動車(処分見込額が20万円以下である場合に限る。)」「ただし、初年度登録から5年を経過した自動車については、なお相当な価値があることが類型的にうかがわれるもの(ハイブリッド車、電気自動車、外国製自動車、排気量2500㏄を超えるものなど)を除き、価額を0円とみなすことができるものとする。」という基準があります。

⑵ 自動車を残せる場合

上記基準により、福岡地方裁判所管轄で自己破産をする場合においては、初年度登録から5年を経過したハイブリッド車等を除く自動車については、基本的に残すことができます。

また、上記の基準を満たしていない自動車、例えば、5年を経過していない自動車やハイブリッド車などについても、査定書等を取得し、処分見込額が20万円以下ということになれば、残すことができます。

⑶ 自動車を残せない場合

一方で、処分見込額が20万円を超える自動車については、基本的に破産手続内で破産管財人によって換価処分されることになり、その結果、自動車を手放さなければならないことになります。

もっとも、自分で自動車の処分見込額相当のお金を準備することができれば、そのお金を破産財団に組み入れることで、破産管財人に自動車を破産財団から放棄してもらうことにより、手元に残せるという場合もあります。

3 まとめ

上記のように、自己破産をするからといって、常に自動車を手放すことになるわけではなく、手元に残せる場合や残すために取り得る方法があります。

そして、自己破産することによって自動車を手放すことになるかどうかを判断するためには、自動車ローンが残っている場合であれば、約款や車検証、自動車検査記録事項等を正確に確認する必要がありますし、完済している場合であれば、裁判所ごとの基準をきちんと理解しておく必要があります。

そこで、自己破産手続きを検討されている方、特に自動車を所有しており、手元に残すことを希望される方は、まずは弁護士にご相談されることをおすすめいたします。

当事務所は、これまで債務整理手続きを多数取扱ってきましたので、豊富な実績経験があります。また、当事務所では、借金問題でお困りの方に、お気軽にご相談いただけるよう、借金に関する初回相談を無料で行っておりますので、是非、北九州・小倉の当事務所までお気軽にご相談ください。

2月21日の営業についてのお知らせ

2025-02-18

2月21日(金)は、事務所内研修のため、終日休業とさせていただきます。

21日(金)にいただいたお問い合わせについては、2025年2月25日(火)から順次、ご連絡させて頂きます。

ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

自己破産すると家族に迷惑がかかるの?

2025-02-17
自己破産すると家族に迷惑がかかるの?

債務整理のご相談を受ける中で、自己破産をすると家族の財産がなくなったり、子どもの進学や就職に不利益になるなど家族に迷惑をかけるのではないか?といったご質問を受けることがとても多いです。

先に結論から申しますと、自己破産をしても、ご家族に直接的な迷惑をかけることはほとんどなく、場合によっては、ご家族に知られずに自己破産をされる方もいらっしゃいます。もっとも、自己破産をすることによって、ご家族に一切迷惑がかからないかというとそういうわけではなく、ローンのある自動車を引き揚げられた結果使えなくなったり、家族カードが使えなくなるなど事実上迷惑がかかることがあります。

今回は、自己破産をしてもご家族に直接的な迷惑はかからないこと、事実上迷惑がかかる場合があることについて、北九州・小倉の弁護士が説明いたします。

1 直接的な迷惑がかかることはないこと

⑴ 家族は返済義務を負わない

自己破産をすると、家族が借金を返済しなければならなくなるのではないか?といったご相談をよくお受けしますが、返済義務を負うのは借り入れをした本人だけであり、もう一方の配偶者・親・子など家族ということだけで返済義務を負うことはありません。

ただし、家族が保証人あるいは連帯保証人になっている場合(例えば、妻が夫の保証人になっている、親が子の保証人になっている)は、注意が必要です。この場合は、借り入れをした本人が支払いをしなければ、家族としてではなく、保証人として返済をしなければならないことになります。

⑵ 家族の資産はなくならない

自己破産をすると、家族の資産もなくなるのではないか?といったご心配をお聞きすることがありますが、資産を失うことになるのは自己破産をするご本人だけであり、もう一方の配偶者・親・子などご家族が資産を失うことはありません。そのため、家や自動車がご家族名義であればそのまま残すことができますし、預金や保険も解約する必要はありません。

ただし、ご家族名義の不動産にご本人の借金の担保として抵当権が設定されている場合については、借り入れをしたご本人が支払いをしなければ、家族としてではなく、物上保証人として不動産を失うことがあります。自己破産をするご本人と自宅などの不動産を共有している場合についても、共有持分の買取りができないようなときは不動産を失うことがあります。

なお、自己破産するご本人も常に資産をすべて失うというわけではなく、一定の要件を満たした資産(福岡地裁管轄であれば、初年度登録から5年経過したハイブリッドではない国産自動車や20万円以内の預貯金や自動車等)を残せる場合があります。

⑶ 家族はブラックリストに載らない

自己破産をすると、家族もブラックリストに載るのではないか?といったご相談もお受けします。ブラックリストに載るとは、個人信用情報に事故情報が登録され、クレジットカードやローンの審査に通らなくなった状態のことをいいます。

しかし、ブラックリストに載るのは自己破産をするご本人だけであり、その配偶者や親、子ども等の家族が載ることはありません(例えば、夫がブラックリストに載ったとしても、妻が載ることはありませんし、親がブラックリストに載ったとしても、子どもが載ることはありません)。そのため、ご本人が自己破産をしても、ご家族はこれまで通りクレジットカードを利用したり、カードローンの借り入れをすることができるということになります。

⑷ 子どもの進学や就職に影響しない

自己破産をすると、子どもの進学や就職に不利益に働くのではないか?と心配される方もおられますが、親が自己破産することは、子どもの進学や就職とまったく関係ないことですので、不利益に働くことはありません。親が自己破産したことを子どもの進学先や企業が独自に把握しようとするということも考えられません。

2 事実上迷惑がかかる場合について

⑴ 破産者名義の自宅や自動車がなくなる

自己破産をすると、自己破産をする方ご本人名義の財産が失われることになります(一定の要件を満たした資産については残せる場合があることはすでに述べたとおりです)。そのため、ご本人名義の家(自宅)がある場合は、任意売却や競売などで自宅を失うことになるので、同居するご家族は引越しをしなければならず、その意味で自宅を失うことがあります。

自動車についても、ご本人名義の自動車に所有権留保が付されていたらローン会社に引き揚げられますし、換価価値がある場合は破産手続内で換価処分されることになるので、その意味で同居するご家族は自動車を失うことになります。

⑵ ライフプランの見直しが必要になる

自己破産をすると、上記のとおりブラックリストに載るため、住宅ローンを組むことができなくなります。そのため、夫(妻)が自己破産してしまうことにより、妻(夫)だけでは希望する金額で住宅ローンが組めなかったり、妻(夫)だけでは住宅ローンを組めないことがあり得ます。その結果、希望する地域や時期に持ち家をもつことができないことがあり得ます。

また、子どもを私立学校に進学させることを希望していたが、夫(妻)が自己破産をしたことにより、妻(夫)のみでは学資ローンの借り入れができず、希望する進学先へ子どもを進めてあげることができないということもあり得ます。

このように、自己破産をすることにより、家族のライフプランに重大な影響を与える場合があります。

⑶ 家族カードが使えなくなる

自己破産をすると、自己破産するご本人のクレジットカードは当然使えなくなりますし、夫や妻に渡していた家族カードも使えなくなります。自己破産をしないご家族がすでにクレジットカードを持っていたり、新たに作成することができれば良いですが、専業主婦(夫)など収入がない方の場合は、クレジットカードを持てないことがあり、日々の生活に不便が生じることがあります。

3 まとめ

以上のように、自己破産をしても、ご家族に直接的な迷惑がかかることはありませんが、事実上の迷惑がかかることはあり得ます。もっとも、上記のような事実上の迷惑がかかる場合であっても、事前にご親族や知人から自動車を借りる都合をつけたり、ライフプランを見直すことで対応できることもあります。

また、上記のように、保証人になっていたり、自宅不動産が共有であったりする場合などは特に注意が必要であり、保証人として返済できる金額なのか、共有持分の買取りが可能なのかなど事前に把握・検討しておかなければならない場合もあります。

しかし、ご本人やご家族だけでは専門知識に乏しく、自分たちが置かれている状況を正確に把握することができておらず、気づいたときには手遅れになっていたということにもなりかねません。

そこで、自己破産手続きを検討されている方、特にご家族がいらっしゃる方は、まずは弁護士にご相談されることをおすすめいたします。

当事務所は、これまで債務整理手続きを多数取扱ってきましたので、豊富な実績経験があります。また、当事務所では、借金問題でお困りの方に、お気軽にご相談いただけるよう、借金に関する初回相談を無料で行っておりますので、是非、北九州・小倉の当事務所までお気軽にご相談ください。

専業主婦(主夫)の債務整理

2024-12-27
専業主婦(主夫)の債務整理

専業主婦(主夫)の方は、ご自身に収入はなくとも、家計管理をされていることが多く、毎月の生活費の不足や教育費のために、夫(妻)に相談せずに借金が増えてしまった結果、債務整理を行う方が少なくありません。また、専業主婦(主夫)の方からは、債務整理をしたいけど夫(妻)や家族に知られるのではないかといった質問をお受けします。

そこで、専業主婦(主夫)の方が債務整理される場合の特徴や注意点を北九州・小倉の弁護士がご説明いたします。

1 債務整理の種類

債務整理には、主に自己破産、個人再生、任意整理という手続きがあります。

まず、自己破産とは、裁判所に申立をして負債(借金)の支払い義務を全額免除してもらう手続きです。

次に、個人再生とは、裁判所へ申し立てることによって、減額された借金を原則3年(最大5年)かけて分割で返済していく手続きです。特に、住宅ローン返済中のときには、住宅ローン特則を使うことによって今まで通り住宅ローンの支払いを続けることが認められており、住宅ローンを支払いながら他の借金は減額して支払っていくことができます。

最後に、任意整理とは、債権者(銀行、消費者金融、カード会社など)との個別の話し合いによって、収入の範囲内で無理なく返済していけるように、借金を整理することです。


2 専業主婦(主夫)の方の特徴

専業主婦(主夫)の方は、ご自身に収入がないため、安定した収入を得ていることが要件となっている個人再生を選択することはできません。

そのため、専業主婦(主夫)の方が選択できる債務整理方法としては、自己破産か任意整理の二つということになります。以下では、専業主婦(主夫)の方が自己破産や任意整理を行う場合の注意点等をご説明いたします。


3 専業主婦(主夫)の方の自己破産

自己破産は、すでに述べたように、借金の返済を全額免除してもらう手続きですので、今後返済を行う必要がなく、ご自身に収入がない専業主婦(主夫)の方でも選択できる債務整理方法です。三つの債務整理方法の中でも、債務(借金)を返済しなくてよくなるという意味では、一番強力なものになります。そのため、専業主婦(主夫)の方の場合、常に自己破産を選択すべきであるとも考えられます。

しかし、自己破産は、夫(妻)やご家族に知られるリスクがあるので、注意が必要です。具体的には、以下のようなケースで知られることがあり得ます。


⑴ 裁判所に提出しなければならない資料から知られる(バレる)ケース

自己破産及び個人再生を行う際には、家族(同居者)の以下の資料を裁判所に提出しなければなりません。

  • 通帳、銀行の取引履歴(主に水道光熱費・電話代を口座引落しにしている場合)
  • 給与明細1か月分~3か月分、賞与明細1年分
  • 源泉徴収票もしくは所得証明書1~2年分
  • 家計に関する資料(各料金の明細など)

※これらは、福岡地方裁判所で求められている標準的な資料になりますので、事案やその他の裁判所によっては異なる資料の提出を求められることもあります。

夫(妻)や家族に知られずに上記の資料を収集できればよいですが、夫(妻)や家族の協力が必要な場合は、なぜ上記資料が必要なのかを説明しなくてはならなくなり、その結果、自己破産を行うことを夫(妻)や家族に知られてしまうことになります。


⑵ 受任通知を送付することにより知られる(バレる)ケース

弁護士は、債務整理のご依頼を受けた場合には、債権者に対して受任通知を送付するところ、自己破産を行う際には、すべての債権者を平等に取り扱わなければならないため(「債権者平等の原則」といいます)、すべての債権者に対して受任通知を送付することになります。

そのため、①家族(同居者)から借り入れがある場合には家族(同居者)に受任通知を送付しなければならず、その結果、家族(同居者)に自己破産や個人再生を行うことを知られてしまうことになります。

また、②夫(妻)や家族(同居者)がご依頼者様の保証人となっている場合や③ご依頼者様が夫(妻)や家族(同居者)の保証人となっている場合については、その債権者に対して受任通知を送付しなければならず、その結果、債権者から家族(同居者)に対して連絡がいくことで、家族(同居者)に自己破産を行うことを知られてしまうことになります。


4 専業主婦(主夫)の方の任意整理

専業主婦(主夫)の方は、ご自身に収入はありませんが、家計管理をされている方も多く、夫(妻)や家族に知られることなく返済していくことができることも少なくありません。また、自己破産とは異なり、債務(借金)をなくすことはできませんが、上記の債権者平等の原則が適用されません。

そのため、上記の①家族(同居者)から借り入れがある場合、②夫(妻)や家族(同居者)がご依頼者様の保証人となっている場合、③ご依頼者様が夫(妻)や家族(同居者)の保証人となっている場合には、家族や家族の債権者を任意整理の対象から外すことで、任意整理することを夫(妻)や家族(同居者)に知られずに手続きを行うことができます。

また、裁判所への申立ての必要もないため、上記の夫(妻)や家族(同居者)の資料を準備する必要はないため、任意整理をすることを夫(妻)や家族(同居者)に知られることはありません。

そのため、絶対に夫(妻)や家族(同居者)に債務整理を行うことを知られたくないという専業主婦(主夫)の方は、任意整理を選択された方が良いかもしれません。

もっとも、任意整理を選択した場合であっても、返済原資を工面する計画が立たない等の理由で長期間債権者と和解せずにいると、債権者から訴訟を提起され、訴状が自宅に届いた結果、夫(妻)や家族(同居者)に債務整理を行っていることを知られてしまうことがあるので注意が必要です。


5 まとめ

上記のように、専業主婦(主夫)の方は、ご自身に収入がなくても、自己破産と任意整理といった債務整理手続きを選択することができます。また、夫(妻)や家族(同居者)に債務整理を行うことを知られたくないという専業主婦(主夫)の方は、任意整理を選択した方が無難であることはたしかですが、収入や家計状況によっては任意整理を選択できない方もいらっしゃいます。夫(妻)や家族(同居人)に知られたくないということを重視し過ぎて、適切な選択をすることができなければ本末転倒です。そのため、自分にとって何が最良な手続きなのかを考えることが重要ですので、まずは弁護士にご相談されることをおすすめします。

当事務所は、これまで、専業主婦(主夫)の方の債務整理手続きを多数取扱ってきましたので、豊富な実績経験があります。また、当事務所では、借金問題でお困りの方に、お気軽にご相談いただけるよう、借金に関する初回相談を無料で行っておりますので、是非、北九州・小倉の当事務所までお気軽にご相談ください。

冬季休業についてのお知らせ

2024-12-25

冬季休業日についてご案内します。

2024年12月27日(金)から2025年1月5日(日)までお休みを頂きます。

上記期間中に頂いたお問い合わせについては、2025年1月6日(月)から順次、ご連絡させて頂きます。

ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

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