自己破産により自動車を手放すことになるのか

自己破産により自動車を手放すことになるのか

自己破産のご相談を受ける中で、自己破産をすると自動車を手放さないといけないのではないか等、自動車の処遇をご心配される方が多くいらっしゃいます。

そこで、今回は、自己破産をすることにより自動車を手放すことになるのかについて、北九州・小倉の弁護士が説明いたします。

1 ローンが残っている自動車について

ローンを組んで自動車を購入されている場合、購入した自動車に対して、信販会社等の所有権が留保されていることが多くあります。

そして、自動車に所有権留保が付いている場合に自己破産手続きを行うと、弁護士から自己破産をすることを信販会社等に通知(受任通知)を送付した後、自動車が引き揚げられてしまうことになります。

したがって、ローンが残っていて所有権留保が付いている自動車については、手元に残すことができないということになります。なお、銀行で自動車ローンを組んでいる場合など、自動車ローンであっても所有権留保を付けない場合もあるので、約款や車検証、自動車検査証記録事項等を確認する必要があります。

2 ローンを完済している自動車について

ローンを完済している自動車については、上記のような所有権留保が付いていないため、引き揚げられるということはありませんが、裁判所ごとの基準(自動車の価値や車種等)によって、処遇が異なってきます。

⑴ 福岡地方裁判所の基準

福岡地方裁判所であれば、「自動車(処分見込額が20万円以下である場合に限る。)」「ただし、初年度登録から5年を経過した自動車については、なお相当な価値があることが類型的にうかがわれるもの(ハイブリッド車、電気自動車、外国製自動車、排気量2500㏄を超えるものなど)を除き、価額を0円とみなすことができるものとする。」という基準があります。

⑵ 自動車を残せる場合

上記基準により、福岡地方裁判所管轄で自己破産をする場合においては、初年度登録から5年を経過したハイブリッド車等を除く自動車については、基本的に残すことができます。

また、上記の基準を満たしていない自動車、例えば、5年を経過していない自動車やハイブリッド車などについても、査定書等を取得し、処分見込額が20万円以下ということになれば、残すことができます。

⑶ 自動車を残せない場合

一方で、処分見込額が20万円を超える自動車については、基本的に破産手続内で破産管財人によって換価処分されることになり、その結果、自動車を手放さなければならないことになります。

もっとも、自分で自動車の処分見込額相当のお金を準備することができれば、そのお金を破産財団に組み入れることで、破産管財人に自動車を破産財団から放棄してもらうことにより、手元に残せるという場合もあります。

3 まとめ

上記のように、自己破産をするからといって、常に自動車を手放すことになるわけではなく、手元に残せる場合や残すために取り得る方法があります。

そして、自己破産することによって自動車を手放すことになるかどうかを判断するためには、自動車ローンが残っている場合であれば、約款や車検証、自動車検査記録事項等を正確に確認する必要がありますし、完済している場合であれば、裁判所ごとの基準をきちんと理解しておく必要があります。

そこで、自己破産手続きを検討されている方、特に自動車を所有しており、手元に残すことを希望される方は、まずは弁護士にご相談されることをおすすめいたします。

当事務所は、これまで債務整理手続きを多数取扱ってきましたので、豊富な実績経験があります。また、当事務所では、借金問題でお困りの方に、お気軽にご相談いただけるよう、借金に関する初回相談を無料で行っておりますので、是非、北九州・小倉の当事務所までお気軽にご相談ください。

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