
自己破産を検討されている方からよく寄せられるご相談のひとつが、「破産すると資格や仕事に影響が出るのではないか」というご不安です。
実際、破産を申し立てた場合、一部の職業については法律上の資格制限が設けられており、一定期間、登録や業務の遂行ができなくなる場合があります。
そこで、今回は、破産手続きに伴う資格制限の仕組みや、どのような職業が制限の対象になるのか、また制限が解除されるタイミングなどについて、北九州・小倉の弁護士が説明いたします。
このページの目次
1 自己破産と免責について
自己破産とは、裁判所に申立をして債務(借金)の支払い義務を全額免除してもらう手続きです。
そして、支払い義務を免除してもらうことを「免責」といいます。そのため、厳密にいうと、個人の方が自己破産手続きを行うのは、裁判所にこの「免責」を許可してもらうためということになります。
2 自己破産における資格制限とは?
自己破産の申し立てを行い、「破産手続開始決定」が出されると、破産手続が終了し免責が確定するまでの間、一部の職業や資格に就くことが法律で制限されます。
この資格制限は、「破産手続開始決定から免責確定までの間」の一時的な制限であり、免責が確定すれば制限は解除されます。
3 資格制限の対象となる職業・資格
⑴ 弁護士、公認会計士、税理士などの士業
- 弁護士(弁護士法第7条)
- 公認会計士(公認会計士法第4条)
- 税理士(税理士法第5条)
- 司法書士(司法書士法第5条)
これらの職業では、破産手続中は登録の欠格事由となり、登録の取消や業務停止の対象となります。
⑵ 会社役員(取締役・監査役など)
会社法第331条により、株式会社などの役員には就任できません。ただし、破産手続き中に役職を辞任すれば、それ以降に新たな役員に就くことは免責確定後に可能になります。
⑶ 保険募集人や宅地建物取引士などの登録制資格
- 宅地建物取引士(宅地建物取引業法第18条)
- 保険募集人(保険業法第274条)
- 貸金業取扱主任者(貸金業法第24条の4)
これらの職種では、登録の際に破産していないことが要件とされているため、破産手続中は新たに登録できません。
⑷ 警備員
警備業法第14条に基づき、破産者は警備業務に就くことができません。免責後に再び従事することは可能です。
4 資格制限がない主な職業
一方で、破産手続中であっても制限を受けない職業も多数あります。例えば、
- 一般の会社員
- アルバイト・パート
- 工場勤務
- 介護職員
- ITエンジニア
- フリーランス(登録制資格が不要な業務)
これらの職業は、破産による直接的な資格制限の影響を受けません。
5 資格制限の解除タイミングはいつ?
資格制限は、「免責許可決定が確定」すると解除されます。
通常、破産手続開始決定から3〜6か月程度で免責が確定することが多いです。
免責確定後は、制限を受けていた資格への復帰や再登録も可能になります。
6 まとめ
上記のように、自己破産には一時的な資格制限があるものの、免責確定後には復職や再登録が可能です。将来の生活再建のためには、正確な情報をもとに判断することが重要です。
そこで、自己破産手続きを検討されている方、特に自己破産における資格制限に関してご不安に感じられている方は、まずは弁護士にご相談されることをおすすめいたします。
当事務所は、これまで債務整理手続きを多数取扱ってきましたので、豊富な実績経験があります。
また、当事務所では、借金問題でお困りの方に、お気軽にご相談いただけるよう、借金に関する初回相談を無料で行っておりますので、是非、北九州・小倉の当事務所までお気軽にご相談ください。

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