自己破産で制限される資格・職業一覧

仕事は辞めなきゃいけない?復権とは?

「自己破産をすると、警備員の仕事ができなくなる?」「保険の営業職だけど、解雇されてしまうの?」

自己破産には、手続き中の一定期間だけ、特定の仕事に就けなくなる「資格制限(職業制限)」というルールがあります。 しかし、全ての仕事ができなくなるわけではありません。一般的な会社員や公務員の多くは、制限を受けずに働き続けることができます。

このページでは、具体的に「どの職業が制限されるのか」、そして「いつから仕事に戻れるのか(復権)」について、一覧表を用いて詳しく解説します。

1. 資格制限(職業制限)の基本ルール

まず、重要なポイントを3つ押さえておきましょう。

  1. 期間は一時的です
    制限されるのは、「破産手続開始決定」から「免責許可決定が確定する(復権)」までの間だけです。期間は手続きの種類によりますが、数ヶ月〜半年程度が一般的です 。

  2. 対象は法律で決まっています
    「他人の財産を預かる仕事」や「高い信用が求められる資格」などが対象です。これらに当てはまらない仕事(一般的な事務、製造、販売、運搬など)は制限されません 。

  3. 一生できないわけではありません
    手続きが終われば「復権(ふっけん)」し、再びその仕事に就いたり、資格を登録し直したりすることができます 。

2. 【一覧表】制限される主な職業・資格

ご自身の仕事が当てはまるか確認してください。ここに載っていない一般的な職種であれば、法的な制限はありません。

警備・保安

  • 主な資格・職業警備員、警備業者
  • 備考:現場の警備員も含まれます(警備業法)。

金融・保険

  • 主な資格・職業生命保険募集人、損害保険代理店、質屋、貸金業者
  • 備考:保険の外交員(セールスレディ等)も対象です。

不動産・建設

  • 主な資格・職業宅地建物取引士、建設業者(役員)、建築士事務所の開設者
  • 備考:宅建士は登録ができなくなります。

会社役員

  • 主な資格・職業:株式会社の取締役、監査役
  • 備考:一度退任する必要があります(再選任は可能)。

士業

  • 主な資格・職業:弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、行政書士など
  • 備考:多くの士業で欠格事由とされています。

その他

  • 主な資格・職業:旅行業務取扱管理者、廃棄物処理業者、風俗営業の管理者など

これらは代表例です。法律の改正により変更される場合があります。

3. 制限されない仕事(影響がない仕事)

以下の職業には、破産法による資格制限はありません。そのため、自己破産を理由に法律上辞める必要はありません。

一般的な会社員

営業職、事務職、企画職、システムエンジニアなど

医療・福祉

医師、看護師、薬剤師、介護福祉士、保育士など

意外かもしれませんが、医師や看護師に制限はありません。

公務員

教師、市役所職員、警察官、消防士など

かつては制限がありましたが、現在は撤廃されています(公正取引委員会委員などごく一部の特別職を除く) 。
ただし、会社の「就業規則」や「社内規定」によっては、配置転換などを求められる可能性がゼロではありません。

4. 制限期間中の対応はどうすればいい?

もし自分の仕事が「制限対象」だった場合、どうすればよいのでしょうか。

  • 部署異動(配置転換)をお願いする: 一時的に資格のいらない部署(警備会社であれば内勤事務など)へ異動させてもらい、復権後に元の業務に戻るという対応が一般的です。

  • 一時休職する: 手続きが終わるまで休職扱いにしてもらうケースもあります。

  • 会社の役員の場合: 一度委任契約が終了するため退任となりますが、株主総会で再度選任されれば、復権後に(あるいは手続き中でも時期を見計らって)取締役に復帰することは可能です。

黙って働き続けるのは危険です

資格制限があるのに隠して業務を行うと、後で資格取り消しなどの重い処分を受けるリスクがあります。必ず弁護士と相談の上、職場への対応を決めてください 。

5. よくあるご質問

Q
解雇(クビ)になりませんか?
A

自己破産をしたこと「だけ」を理由に解雇することは、労働法上、不当解雇となる可能性が高いです 。

ただし、資格制限によって「働けない期間」がある場合、その間の処遇については会社と話し合う必要があります。

Q
どのくらいの期間で復帰できますか?
A

手続きの種類によります。

  • 同時廃止(財産がない場合): 手続き開始から免責確定まで約3〜4ヶ月程度 。
  • 管財事件(財産がある場合): 約6ヶ月〜1年程度 。
Q
制限を避ける方法はありますか?
A

資格制限を絶対に避けたい場合は、自己破産ではなく「個人再生」「任意整理」を検討します。これらの手続きには資格制限がありません。

まとめ:仕事への影響は最小限に抑えられます

「資格制限」と聞くと怖いですが、実際に対象となる職業は限定されています。また、対象であっても「一生できない」わけではありません。

「自分の仕事は大丈夫か?」「会社にどう説明すればいいか?」 そのような不安がある方は、当事務所の無料相談にて具体的なアドバイスをさせていただきます。

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